日本の建築物が長持ちしないのはなぜでしょうか?
今回は少しマジメな話です(笑)
まずライフサイクルコストって、知っていますか?
結論からいうと、ライフサイクルコストとは 「建物が一生にかかるコスト」のことです。
詳しくは「設計費」から「建設費」、そして運用中の「点検・修繕・更新費」「水道光熱費」「税金・保険料」、
そして最後の「解体費」に至るまで、建物の一生にかかるコストのことです。
建物を建てる時には「少しでも安く、いいものを」とばかり、
どうしても当初の建設費、建築坪単価などに目がいきがちなものです。
よく新築の坪単価○○円、激安○○円 などのチラシを見かけますね。
購入時は 安く手に入った、と喜んでいます。
ところが実際には、イニシャルコストである建設費などは、
建物の一生にかかるコストから比べれば、小さなもの。
せいぜい30パーセント程度に過ぎません。
建築は衣料とは違うのです。
当初の建設費(イニシャルコスト)の価格にこだわるより、
建物の一生にかかるライフサイクルコストが低い建物を目指すのが 大事なのです。
安かろう、悪かろうの建物を建ててしまったら、
むしろ、のちの運用に手間とお金がかかって大変なことになります。
不動産会社の建売住宅は 基本、不動産会社が儲けの利幅が大きいので、
住宅自身の建築コストは下げられています。
「建物の寿命」については、日本では木造の場合はおおよそ30年、
RC(鉄筋コンクリート)で47年などといわれています。
しかしこれらの数字は、所有者が建物について
一番の要因は 【点検やメンテナンスを怠ってきた】、ことが
大きく影響しているのです。
外国と比べて 日本の建築物が長持ちしないのは 雨が多いだけではなく、
この「メンテナース(点検)」をほとんどしない、のも大きいのです。
建物の寿命は 「予防的で適切なメンテナンス(点検)をしているか」で
大きくかわります。
適切なメンテナースをすれば、木造でもRC(鉄筋コンクリート)であっても、
最低でも100年はもつはずなのです。
定期的なメンテナースは 一番のコストダウンの方法 だと思います。
法隆寺 世界最古の木造建築物です(画像はネットから)